十人十色

column vol.1「ことばの育ち」

保護者から「ことばが遅い」、「ことばの最初(最後)だけしか言わない」など、ことばに関する心配をお聞きすることがよくあります。どんどん周りが話し始める中で、自分の子がなかなか話さないと不安になり、焦りも大きくなります。

しかし、ことばの育ちは個人差が大きいもので、話し始めが遅くても話し始めると一気にことばが広がり、おしゃべりになるお子さんもいます。ことばの育ちには3つのポイントがあり、1つ目に「口腔機能の発達」があります。はっきりとしたことばが話せるようになるためには、よく噛んでご飯を食べたり、大きな口を開けて歌ったりすることで舌や唇を動かし、口の動きを育てることが大切です。

2つ目は「話したい」、「伝えたい」という意欲を育てることです。話したことを相手に受け止めてもらう経験をたくさん積み重ねてください。子どもの気持ちや相手に思いを伝えたいという意欲を大人が受け止めて、うなずいたり返事をしたりして、しっかりと聞いてあげることが、ことばを含め、コミュニケーション力を育てることにもつながります。

「3つ目は、さまざまな活動に取り組み、豊かな体験をすることです。見て、聞いて、触って、自分で体験することを通じて、周りから教えられた「表面的なことば」ではなく、本当に身に付いた「使えることば」が育ちます。また、子どもの気持ちや動きに合わせて、大人がことばを添えることで、ことばと思いが結び付き、語彙の拡がりにつながります。

ことばの育ちには生まれ持った気質や周りの環境など、さまざまな要因が関係していることがあり、中には耳が聞こえにくいなど、何らかの医療的な原因がある場合もあります。気になる様子が見られたら、早めに保健師や発達相談員にご相談ください。

文・臨床心理士

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