column vol.8「一病息災」

一病息災とは、病気がなく健康な人よりも、一つぐらい持病がある方が健康に気を配り、かえって長生きするという意味ですが、これを心の悩みに置き換えて考えてみます。

悩みの渦中にいると、悩むことや不安なこと、葛藤を何とかしたいという思いで精一杯になり、「悩みがなくなればいいのに」、「悩みのない人生を送りたい」などと、考えてしまうことがあるでしょう。しかし、悩みや不安、葛藤のない人生が健康で充実した人生であるとも限りません。

最初はとてもつらく、自分を苦しませた悩みや不安も最終的には、「こんなことを考えられたのは、○○ということに悩んだおかげだ」、「悩んだことで、自分を振り返って考えることができた」などと転換されることが相談を受けていると多くあります。この場合、悩んだことで乗り越えられる強い心が育てられ、心も体も健康に生きるきっかけになったともいえます。

「私は、どうしても悲観的に考えてしまいがちだから、肯定的に考える練習をしよう」と考えることも一病息災の効用の一つではないでしょうか。一つの悩みとじっくりと向き合っていると、自分の弱さを自覚したり、思わぬ発見があったりします。『心が健康になる』ということは、悩みをなくすことだけで得られるものではなく、じっくりと時間をかけて、また時には誰かの助けを借りて向き合っていくことで得られるものなのかもしれません。

文・臨床心理士

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