十人十色

column vol.21非認知的能力とは

数が分かる、字が書けるといった直接的に学習に関わる力を「認知的能力」といいます。逆に、目に見えたり数値に表れたりする力ではなく、感情や心の働きに関わる内面的な力を「非認知的能力」といいます。これを、OECD(経済協力開発機構)では「社会情動的スキル」といい、「目標の達成」、「他者との協働」、「感情の制御」に関わるスキルとして整理されています。

この「非認知的能力」を乳幼児期から育てることが後々の人間関係の基盤となり、人生スキルの獲得に大きく影響し、社会的・経済的な安定につながると考えられていることから世界的にも注目されています。

「非認知能力」は遊びを通して伸ばすことができます。ただし、人にさせられてするものではなく、本人が面白さを感じて意欲的に遊びを楽しんでいることが重要です。自ら遊びを見つけ出し、熱中して粘り強く取り組むことや友達と遊ぶ中で集中力や忍耐力、社交性や思いやりなど人間として大切な力を身に付けていきます。同時に「どうしてかな?」、「不思議だな」と考えることが「認知的能力」を伸ばすことにつながります。

大人は子どもの心に寄り添い、子どもたちの興味が広がるような出会いや素材を提供し、一緒に楽しみましょう。そして、子どもが困ったときや諦めそうになったときは、褒めたり励ましたりしてそっと支えになり、見守りましょう。信頼できる大人との関係性をもとに思いっきり遊びを楽しむことが、その後の人生の豊かさや幸せにつながります。

一度身に付けたら生涯の財産となる「非認知的能力」は、乳幼児期にこそ確実に育てていくことが大切です。

文・臨床心理士

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