十人十色

column vol.25豊かな町に〜”障がい”について考えてみよう〜

以前まで「障がい」は個人の中にあると考えられてきました。例えば、『自力で歩くことができない車いすの利用者は、”歩けない”障がいがあるからエレベーターがない施設は利用できない』という考え方です。

現在は、世界保健機関の総会で採択された「障がいはその人の”個性”」という考えが広まり、「その人に障がいがあるから」を理由に不便を強いられるのではなく、「”障がい”という状態にさせてしまっている社会に問題がある」と考えるようになりました。

なぜ社会は障がいを生み出しているのでしょうか?それは、長い歴史の中で障がいを含む少数派の人たちを考慮しない社会制度やルールが作られてきたことが要因の一つに挙げられます。

こうした社会の考え方やしくみを変えようと、2006年ごろから世界中で『多様な全ての人を含めた社会の在り方を考え直す必要がある』といった考え方が注目されるようになり、社会的弱者を「社会の中で支える=インクルージョン(包括的社会)」の必要性が提唱されるようになりました。

多様な全ての人々が生活しやすい社会を実現していくためには、どんなことが必要でしょうか?「昔からそういうものだ」、「多数の人間には問題がない」などと、これまでの当たり前を当たり前にしたままでは難しいかもしれません。障がいを含む少数派の人たちが、今の社会で困っていること、障がいに感じていることなど、その声の中に我々の社会がより豊かで暮らしやすくなるヒントがたくさん隠されているのではないでしょうか。

文・療育児童指導員

ふれあい相談発達支援センター
お問い合わせ

竜王町役場 発達支援課  TEL:0748-58-3741

利用や来所などに関して … ふれあい相談発達支援センター(発達支援課内)  TEL:0748-58-3741