十人十色

column vol.33みんなが過ごしやすい社会に

いつも笑顔のAさんが文章を書くときには悲しい表情をされます。その理由を聞いてみると「実は漢字が苦手なんです。読むのはまだ想像して読めるのですが・・・」と話されました。

今なら「LD(学習障がい)かな?」と周囲が気付き、適切な対応を考えることができるかもしれませんが、以前は「なぜ、読めるのに書けないの!と周りから指摘や注意」を受け、困ることもあったのではないでしょうか。

最近では「発達障がい」という言葉やその特性などについての理解が広まってきましたが、正しい理解や適切な対応が進んでいなかった時代は、発達障がいのある人にとって、つらく苦しい思いをされていたことと思います。誰でも「なぜ、できないのか!」、「何度言えばいいのか!」などと注意や叱責などを受け続けていると、自分を責めて自己肯定感(自尊感情)が下がってしまいます。

発達障がいは、その特性ゆえに誤解や偏見を招きやすく、周囲の理解や対応がないことで当事者やその家族が心理的・社会的に受ける代償は大きいものです。現在でも理解などは進んできたものの、理解・支援するための具体的な手立てや方法などについてはまだ不十分な面があります。

みんなが「過ごしやすい社会」にするために、一人一人が「今できる必要な支援」を考えて、あと一歩踏み出した取り組みを進めていくことが大切ではないでしょうか。

文・ふれあい相談発達支援センター長

竜王町ふれあい相談発達支援センター
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