十人十色

column vol.28感覚と心の育ち

人間には生まれつき持っている視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感がありますが、他にも「骨と筋肉の動きが分かる感覚」や、身体の傾きが分かる「重力を感じ取る感覚」、お腹が痛いときに感じる「内臓覚」など、たくさんの感覚を持っています。

それらの感覚は目や皮ふ、身体の動きなどを通して脳で感じ取っています。また、考えるという行為や他者を思いやる心、怒りや悲しみなどの感情も脳の中の神経細胞の働きにより生み出されています。

生まれてきたばかりの赤ちゃんは外の世界を知りません。しかし、さまざまな感覚を脳で感じることで自分の身体のことや外の世界について学び、寝返りやハイハイができるようになるなど身体の動かし方が上手になっていきます。そして、さまざまな感覚刺激は脳そのものも成長させ、思いやりの心や我慢するなどの感情を育んでいきます。

感覚は脳の栄養そのものであり、心を育てるためのものでもあります。皆さんは幼いころに服が汚れるほどどろんこ遊びを楽しんだり、穴を開ける感覚が面白くて指で障子に穴を開けてみたり・・・そんな経験ありませんか?

大人から見ると「ダメでしょ」と言いたくなる行為ですが、まさに脳がいろんな感覚をつなぎ合わせたり整理したりしながら、脳が成長している瞬間だったのかもしれません。

なんでもありとは言えませんが、思い切り感覚を楽しんでいる遊びが子どもたちの脳=心を育てていると思うと、温かく見守ることも必要かもしれませんね。

文・療育児童指導員

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