十人十色

column vol.42ASDの人は文明の発展に必要だった・・・・・!?

自閉症スペクトラム(以下、ASD)の人は特定の物事に対する興味が強い傾向にあるため、専門分野の研究など、スペシャリストとして力を発揮しやすいと言われています。あらゆる技術の発展や発明には、専門分野の深い知識や強い探求心を持つスペシャリストの存在が必要であることを考えると、これまでの歴史の中でASDの人が文明の発展に大きく寄与してきたという考え方にも納得できるのではないでしょうか?

 一方、ASDの人は興味のある分野へ注ぐエネルギーが高い分だけ、それ以外の面で苦手な部分は多いかもしれません。現代社会ではあらゆる場面において高いコミュニケーション能力が必要とされ、ASDの人にとっては苦手なことを求められる場面が増えています。昨今、ASDの診断を受ける人が増加している背景には、こういった時代の変化による要因も含まれているように思います。

 確かに、発達特性から生じる困難さに対しては、周囲の人からの理解や合理的配慮は必要となってきます。しかし、ASDの人を単純に「支援の必要な人」とだけ捉えるのではなく、「環境や職種によっては人並み以上に能力を発揮してくれる、頼れる人」という考え方が広がれば、ASDの人もそうでない人も、お互いに助け合いながら豊かに生きることができる社会になっていくかもしれませんね。

文・ふれあい相談発達支援センター 臨床心理士

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