十人十色

column vol.50ほどよく、あたたかく。〜家族の"ちょうどよい"支え方〜

家族が悩んでいるとき、「力になりたい」と思うのは、相手を大切に想っている証拠です。でも、その想いが強すぎて、支える側が少し無理をしていませんか?「忘れ物が多い」「予定を立てるのが苦手」「人づきあいで強い疲れを感じる」。こうした困りごとは、性格や努力不足と受け取られがちですが、背景には生まれ持った発達特性が関係している場合もあります。

最近では、大人になってから自分の発達障害について知る人も少なくありません。こどものころは「少し変わっている」「こだわりが強い」で済んでいたことが、就職や結婚、子育てなど生活環境の変化により、悩みとして表面化することがあり、家族が戸惑うこともあるかもしれません。支援のコツは、全てを肩代わりすることではなく、「本人が動けるスペース」を少しだけ残しておくこと。

例えば、忘れ物が多いなら代わりに準備するのではなく、チェックリストを一緒に作ってみる。片付けが苦手なら出し入れしやすい箱を一つ用意してみる。そんな小さな「仕組みづくり」が、本人の「自分でできた!」という自信を育てます。つまずきやすい部分にそっと手を添えるような、"少しだけ助ける"工夫。それが、本人が自分らしく生きていくための「安心の根っこ」になります。

ときには、つい言葉が強くなってしまったり、どう接していいか分からず戸惑ったりすることもあると思います。そんなときは、家族だけで解決しようとせず、地域の窓口や相談機関を頼ってください。「家族だけでがんばりすぎないこと」も、立派な支援のひとつです。家族が相談できる場所を持つことは、本人を支える力を蓄えることでもあります。

正解がなくても大丈夫。迷いながら、周囲と手をつなぎながら、家族みんなが安心して過ごせる環境を、少しずつ整えていきましょう。

文・臨床心理士

十人十色。コラムが冊子に!「「ぷらす」発達のおはなし」は、ふれあい相談発達支援センター、竜王町公民館、竜王町保健センター、竜王町総合庁舎1階自立支援課、竜王町社会福祉協議会に設置しています。お手元にぜひ!

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