
column vol.4「安心」を引き出す声かけと「不安」を強める声かけ
介護施設などで利用者さんとお話ししていると、皆さん、昔のこと、子ども時代の話、子育てをしていたときのことなど、本当によく覚えておられます。
こうした過去の記憶「長期記憶」は、認知症の症状にもよりますが、認知症の人でも比較的保たれています。逆に、昨日のことや、ついさっきのこと、数分前のことなどの「短期記憶」ができなくなるため、家族にとっては、どんなに楽しい時間を過ごす努力をしても、『どうせ忘れちゃうから…』と嘆くことがあるかもしれません。
しかし、好き・嫌い・楽しい・つまらないなどの感情に基づく記憶(感情記憶)は残ります。認知症の人とのコミュニケーションでは、この「長期記憶」 と「感情記憶」をうまく活用し、「安心できる」といった感情を引き出すことが大切です。
また、相手を気遣う言葉選びで、「寒くないですか?」、「腰は痛くないですか?」、「お疲れではないですか?」と、具体的に伝えるようにしましょう。
◯ 好ましい声かけ
- 優しく、豊かな表情で
- 目線の高さを合わせ
- 身振り、手振りで
- 大げさな表現を使って
- ゆっくり話しましょう
× 好ましくない声かけ
- 怒りながら厳しい表情で
- にらみつけながら
- 大きな声で、語気を強め
- 違う!ダメ!と否定し
- 早口でまくしたてる
文・竜王町認知症地域支援推進員
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竜王町役場 福祉課(福祉ステーション) TEL:0748-58-3705