認知症になってもよろしくね

column vol.4「安心」を引き出す声かけと「不安」を強める声かけ

介護施設などで利用者さんとお話ししていると、皆さん、昔のこと、子ども時代の話、子育てをしていたときのことなど、本当によく覚えておられます。

こうした過去の記憶「長期記憶」は、認知症の症状にもよりますが、認知症の人でも比較的保たれています。逆に、昨日のことや、ついさっきのこと、数分前のことなどの「短期記憶」ができなくなるため、家族にとっては、どんなに楽しい時間を過ごす努力をしても、『どうせ忘れちゃうから…』と嘆くことがあるかもしれません。

しかし、好き・嫌い・楽しい・つまらないなどの感情に基づく記憶(感情記憶)は残ります。認知症の人とのコミュニケーションでは、この「長期記憶」 と「感情記憶」をうまく活用し、「安心できる」といった感情を引き出すことが大切です。

また、相手を気遣う言葉選びで、「寒くないですか?」、「腰は痛くないですか?」、「お疲れではないですか?」と、具体的に伝えるようにしましょう。

◯ 好ましい声かけ

  1. 優しく、豊かな表情で
  2. 目線の高さを合わせ
  3. 身振り、手振りで
  4. 大げさな表現を使って
  5. ゆっくり話しましょう

× 好ましくない声かけ

  1. 怒りながら厳しい表情で
  2. にらみつけながら
  3. 大きな声で、語気を強め
  4. 違う!ダメ!と否定し
  5. 早口でまくしたてる

文・竜王町認知症地域支援推進員

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