離婚するとき
必要なもの
届出地
夫または妻の本籍地、住所地、所在地のいずれかの市区町村窓口
届出人・届出期間
協議離婚の場合
夫と妻
- 届出が受理されたときから効力が生じます。
裁判離婚の場合
申立人
- 裁判離婚や調停離婚の確定または成立等の日から10日以内。申立人が10日以内に届けないときは相手方からも届出ができます。
父母離婚後の子の養育に関するルールの見直し
令和8年4月1日から民法等の一部改正法(父母の離婚後の子の養育に関するルールの見直し)が施行されます
令和6年5月17日、父母が離婚した後もこどもの利益を確保することを目的として民法等の一部改正法が成立しました。この改正法においてこどもを養育する父母の責務を明確化するとともに、親権(単独親権・共同親権)、養育費、親子交流などに関するルールが見直され、令和8年4月1日から施行されることとなりました。
親の責務に関するルールが明確化
父母が親権や婚姻関係の有無に関わらず、こどもを養育する責務を負うことなどが明確化されました。
1.こどもの人格の尊重
こどもが心も身体も元気でいられるよう育てる責任があります。こどもの利益のためこどもの意見をよく聞き、こどもの人格を尊重しなければなりません。
2.こどもの扶養
父母は親権や婚姻関係の有無に関わらず、こどもを養う責任において、こどもが親と同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。
3.父母間の人格尊重・協力義務
こどものためにお互いを尊重して協力し合うことが大切です。
次のようなことは、このルールに違反する場合があります。
- 暴力や相手を怖がらせるような言動
- 他方の親によるこどもの世話を不当に干渉すること
- 理由なくこどもの住む場所を変えること
※暴力等や虐待から逃げることはルールに違反しません。 - 約束した親子の交流を妨げること
- 父母の一方が、父母相互の人格尊重・協力義務等に違反した場合は、親権者の指定または変更の審判、親権喪失または親権停止の審判等において、その違反の内容が考慮される可能性があります。
4.こどもの利益のための親権行使
親権はこどもの世話やお金や物の管理など、こどもの利益の守るために使われなければなりません。
親権に関するルールの見直し
父母のどちらか一方が親権を持つ「単独親権」と、父母の双方ともが親権を持つ「共同親権」の選択が可能になります。
父母が婚姻中は、父母の双方ともに親権者。離婚後は父母のどちらか一方のみが親権者
父母が離婚後も父母の双方または父母のどちらか一方が親権者を選択
親権者の定め方
協議離婚の場合
父母が協議により親権者を父母の双方とするか、どちらか一方にするか定めます。
裁判離婚の場合
家庭裁判所が、父母とこどもの関係性などさまざまな事情を考慮し、こどもの利益の観点から親権者を父母の双方とするか、どちらか一方とするかを定めます。
次のようなことがある場合、家庭裁判所は共同親権を定めることができません。
- 虐待のおそれがあると判断された場合
- DVのおそれやその他の事情で、父母が共同して親権を行使することが難しいと判断された場合
- 身体的な暴力を伴う虐待・DVだけとは限りません。
- これらの場合以外にも、共同親権と定めることでこどもの利益を害すると認められるときは、裁判所は必ず単独親権と定めることとされています。
親権者の変更
こどもの利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所がこども自身や親族の請求によって親権者の変更をすることができます。
共同親権の場合の親権の行使
親権は父母が共同で行いますが、父母のどちらか一方が親権を行使することができないときは、他方が行います。
親権の単独行使が可能な場合
1.日常の行為をするとき
- 食事や服装の決定
- 短期間の旅行
- 予防接種や習い事
- アルバイトの許可
- など
- 次のような場合は日常の行為に当たりません。共同での行使が必要です。
- 転居
- 進路に影響する進学先の決定
- 財産の管理
- 心と体の健康に大きな影響を与える治療
- など
2.緊急のとき
こどもの利益のために父母の協議や家庭裁判所の手続きを経ていては親権の行使が間に合わず、こどもの利益を害するおそれがある場合など、状況が急迫しているときは単独で親権を行使できます。
- DVや虐待からの避難が必要なとき
- こどもに緊急の医療行為を受けさせる必要があるとき
- 入学試験の結果発表後に入学手続きの期限が迫っているような場合
- など
離婚後のこどもの監護に関するルールの明確化
父母の離婚時、こどもの監護の分担について定めることができますが、こどもの利益最優先であることが前提です。
監護者の権限
共同親権者とした場合でも、一方を「監護者」とすることで、こどもの監護を一方にゆだねることができます。その場合の監護者は日常の行為に限らず、監護教育や居所、職業の決定等、単独で親権を行使できます。
養育費の支払い確保に向けた見直し
養育費を確実にしっかりと受け取れるよう、新たなルールの創設やルールの見直しがされました。
取り決めの実効性アップ
文書で養育費の取り決めをしていれば、支払いが滞った場合にその文書をもって、一方の親の財産を差し押さえる申し立てができます。
法定養育費の新設
離婚時に養育費の取り決めがなくても、取り決めまでの間、こどもと暮らす親が他方の親へ養育費を請求できるようになりました。
こども1人あたり月額2万円
あくまでも養育費が決まるまでの暫定的、補充的な措置であり、父母の協議や家庭裁判所の手続きをもって、父母の収入状況などを踏まえた適正な額の養育費の取り決めをしてもらうことが重要です。
- 法定養育費は、父母の間で取り決めるべき養育費の標準額や下限額を定める趣旨のものではありません。
裁判手続きの利便性の向上
家庭裁判所は、養育費に関する裁判手続きをスムーズに進めるため、収入情報の開示を命じることができることとしています。また養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申し立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差押えに関する手続きを行うことができます。
安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し
親子交流や父母以外の親族との交流に関するルールが見直されました。
親子交流の試行的実施
家庭裁判所の手続き中に、親子交流を施行的に行うことができます。適切な親子交流を実現するため、家庭裁判所は資料を収集・調査、父母間の調整を行います。
婚姻中別居の場合の親子交流
父母が婚姻中にこどもと別居している場合、父母の協議で親子交流について定めることができます。協議が成立しない場合は家庭裁判所の審判等により定めることができます。
父母以外の親族とのこどもの交流
これまでの民法では父母以外の親族(祖父母等)とこどもの交流に関する規定はありませんでしたが、こどもと父母以外の親族が親しい関係にあり、こどものために必要である場合、こどもと父母以外の親族との交流について定められるようになりました。
財産分与に関するルールの見直し
財産分与とは、夫婦が婚姻中にともに築いた財産を離婚の際にそれぞれ分け合う制度です。
財産分与の請求期間の延長
財産分与の請求ができる期間が、離婚後2年から5年に延長されました。
- 民法改正前に離婚した夫婦の財産分与請求期間は上記の対象外で2年間です。
財産分与の考慮
財産分与の目的が、各自の財産上バランスの取れたものにすることを明らかにした上で、考慮の要素を例示しています。
【例】婚姻中に取得した財産の額、婚姻の期間、婚姻中の生活水準、婚姻中の協力および扶助の状況など
裁判手続きの利便性の向上
財産分与に関する裁判では、分与の対象となる財産の種類や金額を明らかにする必要があります。そのため手続きをスムーズに進めるために、家庭裁判所が当事者に対し、財産情報の開示を命じることができることとしています。
養子縁組に関するルールの見直し
養子縁組をしたあとに誰が親権者になるのかを明確化するため、ルールが見直されました。
養子縁組後の親権者
- 未成年のこどもが養子になった場合養親がそのこどもの親権者となり、実親は親権を失います。
- 複数回の縁組がされた場合最後に縁組をした養親がそのこどもの親権者となります。
- 離婚した実父母の一方の再婚相手と養子縁組をする場合養親とその配偶者である実親が親権者となります。この場合、父母離婚の際に共同親権を選択していても、他方の実親は親権を失います。
養子縁組の父母の意見調整の手続き
15歳未満のこどもが養子縁組をするときは、こどもの親権者が養子縁組の手続きを行う必要があります。これまでの民法では父母双方が親権者であるときの意見対立を調整する規定がなく、父母の意見が一致しなければ養子縁組をすることができませんでしたが、今回の改正により、父母の意見対立を家庭裁判所が入り調整するという手続きが新設されました。
関連リンク
- 【法務省ホームページ】民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について[令和8年4月1日施行](外部リンク)
- 【こども家庭庁ホームページ】民法等改正について(外部リンク)
- 【こども家庭庁ホームページ】ひとり親家庭のためのポータルサイト(外部リンク)
- 【法務省パンフレット】父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました(PDF)
- 【こども家庭庁パンフレット】こどもの未来のための新しいルール(PDF)
- 【こども家庭庁パンフレット】ひとり親家庭のためのみらい応援ガイド(PDF)
- 【法務省パンフレット】離婚・別居を考えているお父さんお母さんへ こどものための共同養育計画書(PDF)